2002年に本研究会会長であった西尾が日本ディサースリア臨床研究会を設立した際のキーワードは、「日本のどの地域の医療・福祉施設に患者が訪れても均質な高いリハビリテーションを受けることができること」でした。この目的を果たすために、日本ディサースリア臨床研究会は全国レベルで旺盛な啓発的活動を展開致しました。その結果として、日本のディサースリアの治療レベルは飛躍的に進展したと思います。

この本志は今も全く変わっていません。MTPSSE(高齢者の発話と嚥下の運動機能向上プログラム)を2021年に完成させる最大の目的もまたここにありました。「ノドトレ」は、MTPSSEを一般向けに書き下ろしたものです。日本ディサースリア臨床研究会の設立から23年ほどの歳月が流れ、今回の活動趣旨は、「日本のどの地域の住民も均質な高い介護予防サービスを受けることができること」をも本志とするようになったとも換言することができます。そして、言語聴覚士の職能性に関与する活動に関しては、日本全国の地域の職能団体である言語聴覚士会の協力と結束が欠かせません。

日本ディサースリア臨床研究会と日本海医療福祉研究施設は、2023年より連携して、老嚥、サルコペニアの摂食嚥下障害を予防・改善し、誤嚥性肺炎予防運動を全国的に推進するようになりました。そして、2024年6月に、全国のすべての言語聴覚士会に対して、地域リハビリテーション活動支援事業などを介して職能意識をもって誤嚥性肺炎の予防のために言語聴覚士としての専門性を発揮すべく結束するよう呼びかけました。その際に、真に地域住民の健康寿命の延伸に役だつ成果が均質に得られるために、ノドトレのような運動生理学的エビデンスにもとづき、かつ規格化されたレジスタンス運動を実施することを提案致しました。活動に必要なパンフレットはすべて無償にて日本海医療福祉研究施設より提供することを申し出ました。

2024年10月時点で、以下27の言語聴覚士会よりご理解を得て協賛としての支援を得て、協働で誤嚥性肺炎予防運動に取り組んでいます。ここに記して感謝致します。まだ未返答の士会におかれましては、何卒ご理解とご協力を得られるようご期待申し上げております。

一般社団法人北海道言語聴覚士会

一般社団法人青森県言語聴覚士会

岩手県言語聴覚士会

一般社団法人茨城県言語聴覚士会

一般社団法人群馬県言語聴覚士会

一般社団法人富山県言語聴覚士会

公益社団法人石川県言語聴覚士会

一般社団法人福井県言語聴覚士会

一般社団法人山梨県言語聴覚士会

一般社団法人長野県言語聴覚士会

滋賀県言語聴覚士会

一般社団法人大阪府言語聴覚士会

一般社団法人奈良県言語聴覚士会

一般社団法人和歌山県言語聴覚士会

一般社団法人広島県言語聴覚士会

一般社団法人山口県言語聴覚士会

徳島県言語聴覚士会

一般社団法人香川県言語聴覚士会

一般社団法人愛媛県言語聴覚士会

一般社団法人高知県言語聴覚士会

一般社団法人佐賀県言語聴覚士会

一般社団法人長崎県言語聴覚士会

一般社団法人熊本県言語聴覚士会

公益社団法人大分県言語聴覚士会

宮崎県言語聴覚士会

一般社団法人鹿児島県言語聴覚士会

一般社団法人沖縄県言語聴覚士会