Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 14 No. 1 pp 10-23, 2024

特集1

言語聴覚士のための臨床栄養

総説

リハビリテーションにおける栄養管理
吉村芳弘
熊本リハビリテーション病院 サルコペニア・低栄養研究センター

要旨 リハビリテーション栄養とは,国際生活機能分類(ICF)に基づく全人的評価と栄養状態の評価を行い,障害者やフレイル高齢者の栄養状態やサルコペニアを改善し,機能や生活の質を高める栄養管理とリハビリテーションを統合したアプローチである.リハビリテーション患者の約半数に低栄養やサルコペニアを認め,摂食嚥下障害のリスクが高く,機能回復が不良で死亡率も高い.そのため,リハビリテーションにおいては運動療法だけでなく,低栄養やサルコペニアの診断と治療が重要である.しかし,実際の医療現場では医原性の低栄養が生じていることも多い.リハビリテーション栄養の考え方に基づき,栄養とリハビリテーションを統合した介入を行うことが求められる.
キーワード 低栄養,フレイル,サルコペニア,たんぱく質,リハビリテーション栄養

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