Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 13 No. 1 pp 3-8, 2023
特集1
ディサースリアの関連障害:最新のトピックス
総説
失語症
春原則子
目白大学 保健医療学部 言語聴覚学科
要旨 失語症臨床は,医療の進歩や社会状況の変化に伴って変化し,言語聴覚士を中心にさまざまなセラピーの手法や評価法の開発,研究,実践が進められている.本稿では近年注目されている療法のいくつかと,失語症における新たな障害である失タイプ,さらに社会モデルへのパラダイムシフトについても触れる.言語聴覚士が目指すべきは,失語症となられた個々人がその人らしく生きていくこと,生活の質を向上されることの支援にある.よりよい言語聴覚療法の提供のため新しい知見を取り入れることも重要である.
キーワード 失語症,言語機能改善,社会モデル