筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者にパーキンソン病の既存薬を使い、効果と安全性を確認する治験を今月から始めたと慶応大学病院が発表した。
岡野栄之教授(生理学)らのチームが人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って病気の状態を再現し、1232種の化合物からパーキンソン病薬のロピニロール塩酸塩で効果があると発見した。神経の細胞が死ぬのを抑制し、細胞の重要な器官であるミトコンドリアを活発にさせる効果が確認されたといい、ALSの既存薬よりも優位性があると説明している。対象はALSを発症して5年以内で20~80歳の20人。iPS細胞を使って見つけた薬の治験は今回が国内3例目という。