今年も年の瀬が迫ってきた.この1年をふり返り,つくづくと改革の1年であったと思う.
まず,かねてより本研究会執行部にて検討してきた年会費制度の導入を審議するにあたり,全会員を対象としてアンケート調査を実施した.この調査は,支部長たちの多大なるご尽力によって成し遂げられた.その結果(回収率46.4%),正会員の83.3%の会員の方々が年会費制度導入に賛同して下さった.この結果を受けて,本年,すなわち平成23年度4月より年会費導入制度を実施した.

年会費制度の実施により,多くの問題が改善もしくは解消され,他方で活動範囲が拡大するであろう.本研究会は年会費のない研究会としてスタートさせたが,HPの運営・維持だけでも諸経費を要し,役員はほとんど無償で努力を継続してきたが,財政難を解消しきれなかった.財政難は今後も課題として残り続けるが,破綻の危機を脱却できた意義は大きい.

また,従来より年会費が無料であることに伴い会員の方々の中に会員としての自覚意識と責任感の希薄さが指摘された.具体的には,会員の方々の重要連絡への無返答,メールアドレスや住所変更の変更に対する連絡がない,といった問題が続出し,各支部長,総務部が会員を適切に管理することが困難な状況にあった.会員数が750名を超える大きな団体となるにともない,各支部長の会員への対応,全体管理はほぼ困難といっても良い状態に陥っていた.この問題も大きく改善されるであろう.会費制度を導入して会則にその資格を明記することにより,会員のしっかりした管理が可能とすることが可能となると思われる.

年会費制度の導入に伴う活動範囲の拡大として,何よりも学術雑誌の刊行をあげることができる.わずか2000円の年会費であるため薄っぺらな雑誌とならざるを得ないであろうが,質の高いジャーナルとしたい.ジャーナルの刊行に伴い,光栄にもYorkston教授,Miller博士より祝辞を賜った.平成24年2月に予定している創刊号で掲載されるであろう.

さらに,平成24年度より日本ディサースリア学術集会を開催する予定で進めている.
第1回の詳細なプログラムは本研究会のHPでご覧頂きたい.この学術集会では,最新の治療技術を演習も交えて行うセミナーも多く導入する予定である.

加えて,執行部の組織体制も変革された.副事務局長としてあらたに山崎先生と鈴木先生が就任され,財務部長に阿部先生が就任なさったが,この3名の活躍ぶりはすばらしく,研究会の組織体制は安定した.
しかし,こうした改革を的確に進めるのは容易ではなかった.多大な時間と労力を要した.至らない私の指揮をいつもあたたかく支えて下さった執行部の方々に心より御礼申し上げたい.

本研究会が設立されてから,来年で10年目となる.ふり返れば,日本のディサースリアの臨床体制は本研究会により大きく進展したと自負している.米国と比較して著しく遅滞していた臨床レベルは確実に向上した.10年間,改革を続けてきたと言っても過言ではであろう.ことばだけで改革を述べれば扇動家のそしりを免れない.しかし,私たちは,多くの会員諸氏とともに新しいディサースリアの臨床システムを築いてきたという実績がある.

今後も会員の皆様方のご尽力を賜り,益々当日本ディサースリア臨床研究会が発展し,より質の高いリハビリテーションをディサースリアのあるクライアントに提供できるよう励んで参りたい.

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