Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol. 14 No. 1 pp 49-55, 2024

特集2

リハビリテーションにおけるICTの活用

総説

ICTを活用したフレイル予防の可能性
宮寺亮輔
東京都立大学 健康福祉学部 作業療法学科

要旨 近年,スマートフォンなどの通信デバイスの普及に伴い,国内外でフレイルなどの予防・健康増進分野におけるICT活用に関する報告が増えてきている.一方で,その通信デバイスの利便性を十分に享受できているのは一部の高齢者であることや,享受できない背景(知識と使用スキル,モチベーションなどの不足)は捉えられているものの,その具体的解決方法が定まっていないことなども指摘されている.しかし,その通信デバイスの利便性やテクノロジーのさらなる発展は疑いようもなく,感染症リスク低減のための物理的接触を排した交流手段が浸透してきた現代において,高齢者の健康増進介入におけるICTの重要性は,今後飛躍的に高まることが見込まれる.本稿ではICTを活用したフレイル予防のあり方について,筆者の取り組みを交えて紹介したい.
キーワード 高齢者,ICT,フレイル予防活動

一覧に戻る