Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol.2 No.1 pp58-62,2012


─臨床ヒント─

筋萎縮性側索硬化症例に対する訪問リハビリテーション

吉田祥子

要旨:介護保険制度が開始されてから訪問リハビリテーションの受給率は年々増加している.しかしながら言語聴覚士の訪問リハビリテーションは,理学療法士や作業療法士と比較して認知度が低く歴史が浅いために,方法論が確立されていない.そこで今回,在宅で生活している筋萎縮性側索硬化症例に対して言語聴覚士はどのような支援ができるのか,口腔器官に対するアプローチ,コミュニケーション支援,摂食・嚥下に対するアプローチについて,臨床での経験をもとに報告する.また,難病ケアにおいてナラティブアプローチが注目されており,言語聴覚療法におけるナラティブアプローチである会話訓練について紹介する.

キーワード:筋萎縮性側索硬化症,訪問リハビリテーション,ナラティブアプローチ,会話訓練

医療法人社団芳英会吉野内科・神経内科医院リハビリテーション科

受稿日:2012年7月14日 受理日:2012年10月26日