Japan Journal of Clinical Research in Dysarthria Vol.1 No.1 pp 6-12,2012
─総説─
ディサースリアにおける音声治療の現状と展望
城本 修
要旨:ディサースリアの音声障害に対して,現在用いられている音声治療技法について,これまでの治療効果に関するシステマティックレビューとメタアナリシスをもとにその有効性を検討した.その結果,ほとんどの技法には十分な疫学的根拠が認められていないことがわかった.今後,さらに症例数を増やすことや洗練された臨床研究デザインを用いて研究することなどが求められる.くわえて,治療効果をあげるために米国ではブートキャンプと呼ばれる超集中型訓練の開発や訓練のドロップアウト症例を減らす目的で動機づけ面接法などが取り入れられている.本稿では,その紹介をする.
キーワード:ディサースリア,システマティックレビュー,メタアナリシス,ブートキャンプ,動機づけ面接法
県立広島大学保健福祉学部コミュニケーション障害学科
受稿日:2011年11月10日 受理日:2011年11月29日