従来,ディサースリアの領域では一般にダーレイら(1975)によって確立された分類法が用いられてきました.すなわち,弛緩性,痙性,失調性,運動低下性,運動過多性,混合性の6つに分類するというものです. このダーレイらの分類に含まれる痙性ティサースリアは,上位運動ニューロンの両側性障害により起こる仮性球麻痺にともなって出現するとされてきましたが,実際には一側性の核上性障害でも出現することが最近になって認められるようになりました.こうした中枢一側性のディサースリアは舌と顔面の一側性障害により発現し,構音とプロソディーの異常を特徴とします.発話明瞭度は通常日常会話が可能なレベルです. 近年,こうしたタイプのティサースリアはUUMN(一側性上位運動ニューロン性:unilateral upper
motor neuron)ディサースリアとして国際的に分類されるようになりました.こうして第7番目のディサースリアが追加されたことで,ダーレイの分類システムは一部修正されることとなりました.
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